ファージ(シネマティック・ファージ)
電子的にコントロール可能となるよう人工的にデザインされたバクテリオファージの一種。
作中ではシネマティックファージの事をファージと略すが、作中に登場するのは21世紀に存在するファージの人工進化物。(現存するバクテリオファージに関しては常在するスタンダードな物体なので詳しい説明は割愛。本来、バクテリオファージは細胞間のウイルス伝達などに影響を及ぼす。)
基本構造は既存のバクテリオファージと同じだが、DNAプログラムによるコントロールが可能で、30~50個の遺伝子を内包したカプセルたんぱくにアームが付くだけの非常に単純な構造。空間内のナトリウム陽イオンの電離作用を利用して運動を行う。
2119年に開発されたこのウィルス性の人工物は瞬く間に世界に広がり、世界規模のニューラル・ネットワーク構築の発端となった。
誘導コードは外部刺激全てに起因する為、プログラムコードからのアクセスでなくともコントロールが可能。
横山の目覚めた時代の地上や海中には、基本的にファージが存在している。また、地下のビオトープや二ノ宮データセンター、銀行など、オンラインでのデータ漏洩が問題となる区域においては、厳重にファージ接続や濃度がコントロールされている。
高濃度のファージ環境下ではDNAの書き換えがオーバーフローする為、生物が安定して存在できない。さいたま都市圏群など、地上の可住地域では二ノ宮グループがファージ濃度をコントロールしている。
構造上、当然熱には弱く、75度以上になると2分経たずに死滅する。